ボドゲしてますか?アヒャッポゥです。
今回からタイトルちょっといじってその日一番のゲームを重点的に紹介しようと思います。
過去の記事全部タイトル「パ神ボドゲ会」なもんで自分ですら開いてみようという気が全く起きなかったんだもの。そもそも後から見返して何の記事かわかんないのはあかんよね。
一応日記じゃなくてレビューということにしてるからね。読んでくれてる人に優しくしていこうと思います
※面白さを伝えるため少々のネタバレを含んでいます。大した内容でもないけど一応気をつけてフルーツジュース
ということでこの日の1番がこれ。
1番、というか面白くて殆どこれしかしてなかったと言う方が正確
森の仲間達と協力しておいしいフルーツジュースを作るゲーム。
なんというかすごく子供っぽい雰囲気がするけど勘違いしちゃいけない。
確かに子供でもできる単純明解なゲームだけどこの森はメキシコの荒野にも似ている。
即ち甘えたやつから干からびて死ぬのだ。
本来自然界とは過酷な生存競争の世界であることを僕たちに教えてくれるゲームなのです。基本ルール
▲果物カードを集めて先にジュースを3本生成した人の勝ち。とてもシンプル。
ゲームに使うのは動物カード※(アクション)と果物カード(リソース)の2種類。
※正確には地域カードと言うのだがどう見ても動物カードなのでここではそう呼びます
手札に果物カードを集め、規定数の果物を揃えるとジュースを購入できる、というのが基本的な流れ。
▲場をパッと見た感じ山札共有のドミニオンみたいな見た目
果物カードを補充するためにはフィールドに設置された動物カードの効果を利用して手札の操作を行う必要がある。
動物カード達は「果物を2枚引く」サイさんカードや「プレイヤー1人とバナナ1枚と何か2枚を鮫トレする」ガゼルさんカードなどの独自の効果を持っている。
各プレイヤーは自分の手番に任意の動物の元に赴き彼らの力を借りて果物を補充するわけだ。
ここまでは普通。
ジャングルは判断が遅いやつから死ぬ
このゲームが絵柄に反し殺伐とした抗争であることを示すシステムの一つに動物カードの利用権は全プレイヤー共有かつ先着順であるというルールがある。
自分の使いたい動物カードに既に先客がいた場合そのプレイヤーにショバ代として手札から果物カードを支払わなければならない。野生の掟だ。
カードゲームにおいて手札を他プレイヤーに支払う事がいかにヤベーことであるかわかるだろうか。
本格なんとかバトルことシャドウバースで例えるならば手札のバハムートが相手の手札にそのまま移動したらどうなるか?そういうことです。いや果物にAOEはついてないけどね
▲ノーリスク2ドローが弱いわけがない。サイさんカードには序盤から多数のプレイヤーが群がり先攻プレイヤーの「シノギ」と化した
とまぁ色々言ったものの、こういうシステム自体は割とあるタイプのゲームだと思います。
明かされるフルーツジュースの正体
ルールブックのフレーバーになんと書いてあるのかは知らんが、ルールから推測するにこのゲームにおける「フルーツジュース」とは動物が命と引き換えに生成するものである事を意味します。
動物カードの下に果物のマークがついていることがわかるだろうか。
動物たちは前述した手札を補充するアクションを行う他、ジュースを生成する役割も担っている。
描かれた絵柄分の手札があれば動物カードは裏返ってジュースカードとなり1勝利点として扱われる。当然フィールド上の動物カードはいなくなる。
そう、動物カードは果物の供給先であり、フルーツジュースそのものなのだ。
同じ動物カードは4枚存在するので、3回までであれば動物たちはフィールドに残存し引き続き果物を僕たちに分け与えてくれる。しかし、同じ動物に4回ジュースを作らせるとその種族は絶滅するということになる。
強欲な壺ことサイさんなどの強力なアクションを持つ動物は果物を配給する側としてプレイヤーから重宝されフィールドに残り続ける一方、
手札1枚がランダムに変化するだけ、のようなカードゲームにおけるアドバンテージのなんたるかを根本的に勘違いした弱動物はジュースを絞らされ続け搾取の歴史と共に絶滅を迎えるのだ。
実際ゲーム開始後しばらくして、非常にランダム性が高く1ドローできるかすら怪しい効果を持つ亀さんカードはその有用性を疑われた瞬間光の速さで絶滅した。
なんということだ。このジャングルは水々しい果物がひしめく楽園などではない。
役立たずは食い物となって消費されるしかないのだ。僕はこのゲームに現代格差社会の闇を見た。
私が死んでも代わりはいるもの
その身をジュースと化し役目を終えた動物はフィールドから去りアクションの実行が不可能となる。
当然ゲームを続行するために新しい動物カードが補充されるのだが、それはこれまでゲームにあったものとは全く違う新しい種族がやってくる
新しい動物カードは山札から順に補充されるのだが、この山札はシャッフルしない。
前述したとおり動物カードは1種類4枚ずつ用意されており、この山札にはまだゲームに登場していない未知の動物カードが54種類存在している。初期動物は6種なので合計60種だ。誰かが絶滅する度に新しい種族がこのフルーツジュース戦争の戦火に順番に巻き込まれていく。
動物の効果は山札を掘り進める毎にどんどんユニークになっていきさっきまで強かったはずの動物が一気に弱カードに転落しジュースを絞る機械と化すことも多々あった。
▲ちんぱんカード。ジャングルは弱肉強食なので他のプレイヤーから手札を奪う。ちなみにすぐ絶滅した。
生き残りを賭けた争いは世代を越えて続く
ここで思い出して欲しい。このゲームの勝利条件はフルーツジュースを3杯生成することだ。
4人プレイでかつ泥沼の試合になったとしても1回のゲームに付き12枚の動物カードしか消費されない。
それに比べて山札は全部で60種×4枚で240枚ある。そう、明らかに山札が多い。
どう考えても3種類くらい新しい種族が見えればいい方で普通に考えたらほぼ毎回同じフィールドでの戦いになってしまう。
そこでこのゲームは試合終了後、フィールドと山札をそのまま維持して次のゲームへ進む。という特殊ルールを採用している。
即ち、毎ゲームほぼ必ず新しい動物達がフィールドに追加されて、時にはルールを改定するほどの特異な能力を持った種族が現れ環境を塗り替えていくのだ。
このゲームは基本ルール自体はシンプルなので1ゲーム当たり早ければ20分もかからない軽量ゲーに分類されるかと思う。だけど、このシステムがあることによって毎ゲーム環境が変化して異様な中毒性を発揮してくれる。
確か、この日は5時間位ひたすらジュースを絞っていたはず。
インパルス神世界線でのフルーツジュース戦争史
同じゲームをやっているはずなのだけども5時間くらいの間でこれだけの事が起きた。もはや歴史だ。
初プレイ
- 無条件2ドローを持つサイさんカードに人気が集中。ヤクザのシノギと化す中手数料を嫌った1人が運ゲーカード亀さんに手を出し破産
初プレイ後序盤戦
- パイナップルをコストとして要求する強力な動物カード、アリクイさんの出現によりパイナップルの市場価値が異常に高騰。サイさんからパイナップルをもらえた人が勝つゲームに。
- 青空市場を開催するルール干渉型動物セイウチさんの出現によりパイナップルの入手難度が下がる。先行プレイヤーが市場を買い荒らしアリクイさんに貢ぐ黄金コンボが完成。市場には代金として支払われたバナナが溢れ利用者がいなくなる
- 市場のパイナップルを独占したプレイヤーに対しバナナ1枚とパイナップル2枚を強制トレードするカウンター戦術が開発される。以後初手青空市場は地雷行動となり、利用タイミングが重要になる。
中盤
- パイナップル至上主義に終止符を打つため、トッププレイヤーが市場で買い物している間を狙われたアリクイさんが別プレイヤーの襲撃を受け絶滅。一つの時代が終焉を迎える
- パイナップルの価値が暴落し、たまたまパイナップルジュース専門だったサイさんが2ドロー要因からジュース要因に転落。流れるように絶滅。
- サイさんの絶滅により手札が回らなくなり、ドローゲーからトレードゲーにシフト。慎重な読み合いを重点した冷戦状態へ突入。
終盤
- ジュース1杯のコストが増加し戦いが長期化。
- 複雑な効果を持つ動物が増えシナジーを有効活用できるかどうかが重要になる。
- カードを強奪するお猿さんカードなどで場が荒れる中、ヘイト管理に長けたプレイヤーがこっそり手札にジュース複数本分の資産を抱え逃げ切る戦術がメインに。ここに来て心理戦がピークに。
わかりやすくするため少々盛ってるけど壮絶な試合模様であったことが伝わるだろうか。
山札をリセットしないということはもちろん、絶滅した動物たちは当然滅んだままだ。
サイさん絶滅後、なぜあの時パイナップルの処理を優先してしまったのかと何度後悔しただろうか。
きっと他のプレイヤーたちのゲームではサイさんやアリクイさんは滅びずもっと長生きしていたかもしれない。
ランダム要素が果物カードのドローだけであるこのゲームでは「もしあの時の流れが違っていたらこうなっていたはずなのに」というIFの想像がしやすい。
普通の軽量ゲーなら有りうるだろう「今回はこれで失敗したから次はこうやろう」という思考が許されない。常に初プレイを強いられる中で時代の流れを読みきらなければならない。
現実と同じく過ぎたことはもう取り返しがつかないのだ。
それがもどかしくもあり、また同時に魅力でもあると僕は思ったのです。
▲この日、犠牲を免れたまだ見ぬ動物たち約40種。争いはまだまだ続くことになるだろう
森の仲間達は数多の屍を越え今日も果物を集め続ける。
美味しいジュースを飲むため?一族が生き残るため?まだ見ぬ種族に出逢うため?
もはやそれを覚えているものはいない。
確かなことは役に立たない奴は誰かの食い物にされて滅ぶという厳しい自然の摂理
そして僕たちはこの森から全ての動物がいなくなるまで争いを止めないだろうということだ。
・・・おれ原作者様に怒られたりしないよね?